※ エロイ描写が混ざっています。
    18歳未満の方の閲覧は堅くご遠慮願います。








よそ見をするのはやめてよ1




生徒会室のドアを開け、最初にアメリカの視界に飛び込んできたのは
イギリスの尻だった……

「……」

珍しく閉め忘れられて、うっすらと開いていたそのドアを、
アメリカはいつものようにノックもせずに押した。
ドアを開けると正面に見える、いかにもと言った感じの執務机。
重厚でどっしりとした雰囲気のそれはイギリスのお気に入りだ。
その机のサイドから、イギリスの尻だけが見えているのだ。

『頭隠して尻隠さず』

確かそんなことわざが日本にあったなと思い出す。

床に這いつくばって机の下を覗き込んでいるイギリスは、
何かを必死に探しているようでこちらが入ってきたことにまだ気付いていない。
尻を上げて、机の下、さらに奥に向かって床をずりずりと移動する姿は
ひどく滑稽で隙だらけだった。

「……ねえ、君、何をしてるんだい?」

音を立てない様に後ろ手にドアを閉め、靴音を響かせないように歩み寄り、
アメリカは呆れ声で問いかけた。

「え? あ、アメリカ?!」

机の下に頭を突っ込んでいたイギリスがアメリカの存在に驚き、
素っ頓狂な声を上げながら振り向いた。
床に肘を付き身を屈め、お尻を突き出してこちらを見上げる様は
容易に情事の姿を連想させる。
アメリカは手を伸ばし、掲げられたイギリスの形のよい尻をすっと撫でた。

「こんな無防備な格好でさ」
「ひゃうっ!」

ゴンッ!!

「……痛ってぇー」

いきなり尻を撫でられたイギリスは、驚きのあまりビクリと身を跳ねさせ、
その弾みで強かに机に頭をぶつけた。

「あーあ、酷い音がしたぞ」
「お、お前のせいだろうが!!ばかあ!」

痛む頭を撫でながら、イギリスはアメリカに向かって吠えた。
こちらを睨み上げるイギリスの目は痛みの為に潤んでいた。
『……だから、逆効果なんだよ……』
アメリカは物覚えの悪い年上の恋人を少し憐れに思いながら見下ろした。
肉付きの悪い貧相な身体で身を伏して涙目で見上げられたって
劣情を煽るだけなんだといい加減気付けばいいのに……

「で、何をしているんだい?」
「え? ああ、ペンを落としてしまって……」

アメリカの問いに目的を思い出したようにイギリスは答え、
胸を床に擦り付けるようにさらに上体を伏せ、奥へと手を伸ばした。

「あ、あった!!」

ようやく目的のものに手が触れたらしく、イギリスが喜びの声を上げた。
じりっともう半歩進みペンを掴むと、尻を突き出したまま後ずさりしてくる。
アメリカはそれを塞き止めるようにイギリスの背後に立った。
後ろに下がる足がアメリカの足にぶつかり、
何の疑いも抱いてないイギリスが「あ、悪い」と謝った。
そして、一旦下がるのをやめて腰を落とし、ぺたりと床に座った。
手には拾い上げたペン。
イギリスは握った手を開いて、大事そうにそれを眺めた。

「……よかった」

無事に取り戻したペンに安堵の息を吐いているイギリス、
その手の中のペンをアメリカも何気なく見遣り、ムッと眉を顰めた。
『いや、勘違いかもしれないし……』
そう思いながらもやはり確かめずにはいられない。
アメリカはペンをよく見る為に自分も膝を折り、座り込んだ。
『やっぱり似ている……』

「ねえ、イギリス。これって、フランスのじゃないのかい?」

イギリスの背後から手を伸ばし、抱き込むようにその手を取り引き寄せた。
手の上に乗せられた装飾の施されたペンにはやはり見覚えがある。
急なアメリカの接触にぴくんと身体を揺らしたものの、
イギリスの意識はまだペンに向いているらしく、振り払われることはなかった。

「ん? ああ、貰ったんだ」
「……へぇ」
「前にペンを忘れた時に借りたら、思いの外書きやすかったんだ。
 まあ、俺のとこのペンには劣るけどな!」

ふふんと笑って見せていたものの、それが嘘であろうことは知れた。
ペン先やクリップの細かい装飾、軸のデザインなど
とにかく見た目が気に入ったに違いなかった。
イギリスは自分が不器用な分、綺麗なものに弱いのだ。
だからこそ必死に探していたし、さっきもウットリと見つめていた。

……気に入らないな。

目の前で他の男から貰ったものを大事にされるのは不愉快極まりなかった。
それ以上に、折角自分が来たというのに、
まだまともにこちらを見てくれないイギリスに腹が立った。
今日、生徒会の仕事が終わったら一緒に帰ろうと言い出したのは彼の方なのに……

視界に入るフランスのペンが忌々しくて、
アメリカはイギリスの手ごとそれを握りしめた。
そして、自分の存在を思い出させる為に呼びかけた。

「……イギリス」
「何?……んんっ!!」

首を傾げ、頭半分振り向いた身体をぐっと引き寄せ、
近付いたその顔の、答える為に開かれた唇を躊躇いなく奪った。
イギリスの驚きに見開かれる深い森のような緑の瞳を自分のそれで捕らえる。
やっと正面から見つめた瞳には、驚きと戸惑いと、ほんの少しの恐怖。
尚も見つめ続ければ、惑いの色が増え、絡んだ視線から逃れるように目が伏せられた。

「……は、…ふっ」

困惑しながらも自分を振り払えないのがこの人の甘さだ。
今も、イギリスから見れば突然のこの行為に目は「どうして?」と訴えかけているのに、
口内を這い回るアメリカの舌におずおずと自分の舌を差し出し、
唇は行為に応えようとしている。
重なる唇の狭間から零れ落ちる吐息をも奪うように深く貪る。
満足に息が継げなくなったイギリスが空いた方の手でアメリカの服を掴み、
息苦しさを訴えてきた。
口内を蹂躙され、少し潤んだ瞳は、今はもう自分しか見ていない。
アメリカは重ねた唇を放し、イギリスの濡れたそれを最後にぺろりとひと舐めした。

「……な、んだよっ! おまえ……っ」
「……別に、したかったんだ。悪いかい?」

荒い息を吐き、真っ赤になった顔で唇を拭いながら訊ねるイギリスに悪びれなく応える。
言葉を詰まらせたイギリスの首筋に音を立てて口づけ、跡が付かない程度に吸い上げた。
ビクリと仰け反った身体を受け止め、喉元を舐めた。
「……あっ……」
弱い部分を攻められているという本能的な恐怖もあるのだろう、
ざらりと舐め上げるとイギリスの身体はビクビクと震えた。
腰に回していた左手をベストの下に滑り込ませ、シャツ越しに胸を撫でた。
手を滑らせ、胸の突起を探り当てると押し潰すように触れた。
「……っ、やめっ…ろ」
布越しの刺激でも感じているらしい、上ずった声が焦ったように制止する。
勿論そんなものは無視だ。

ひとしきりシャツの上から乳首を弄ぶと、布越しの感触では物足りず、
ボタンをいくつか外して手を差し入れ、直にそれに触れた。
「…ひゃ!」
指の腹で軽く撫で、そのまま二本の指で摘んでやるとイギリスは変な声を上げた。
色気のない声を出すのはいつものことなので、構わずに続けた。
胸への愛撫はそのままに、アメリカは握っていたイギリスの手を放し、
その手でベルトを外しにかかった。
カチャカチャと金属のぶつかる音に、イギリスがハッと我にかえった。

「ちょ、ちょっと待てアメリカ! ここでやるのか?!」
「……いけないかい?」
「あ、当たり前だろう!!」

何考えてるんだ、ばかあ!と罵るイギリスに『君のことだよ』とは言わなかった。
俄に暴れだしたイギリスに、やれやれと溜め息を吐く。

「だ、誰か来たらどうするんだよ!」
「君が暴れなければバレないさ、机の下なんだし」
「なっ!!」

茹で蛸のように真っ赤になって動きを止めたイギリスの腰をこれ幸いと持ち上げ、
下着ごとスラックスを膝まで下げた。

「うわっ! 何しやがる!!」

慌てて下げられたスラックスに手を伸ばそうとするが、遅い。
アメリカは伸ばされたイギリスの手を掴んで止めた。

「こんな状態でまだ抵抗するのかい?」
「うるせえぇ!!」

アメリカによって晒されたイギリスの下肢は、淫らに勃ち上がっていた。
ふるふると震えているその部分を隠したくて身動くその身体を、腕の中に封じ込める。
そして、涙を零し始めているその部分をそっと握り込んだ。
「はうっ!」
直に触れられた衝撃に声を上げるイギリスをさらに追い立てるように
アメリカはイギリスのその熱い部分に絡めた指を動かした。
上下にスライドさせながら強弱を付けて握り込み、
親指と人差し指で先端を擦ってやれば、ビクビクと身体を震わせた。
「…ひあっ!…やめっ……」
逃れるように身を捩り、擦り合わされたイギリスの足は、
膝まで下ろされたスラックスに阻まれ、思うように動かない。
それでも尚、刺激から逃れるように動く足は、ガツッと机の側面を蹴り上げた。

「……やっぱりここじゃ狭いな」

最初から分かっていたが、やはり無理があるようだ。
こんな今にも頭をぶつけそうな場所では満足に動けやしない。

「イギリス、場所変えるよ」




 

途中でぶった切ってすみません。  
あまりにも続きが進まないんで追いつめる為に先に上げます。  
本番ガッツリ頑張って近いうちに上げますね〜  
アホっぽいタイトルを所望し、相方につけて貰いました^^  

2009.10.28 千穂   

 

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