※ エロイ描写が混ざっています。
    18歳未満の方の閲覧は堅くご遠慮願います。








よそ見をするのはやめてよ2




「イギリス、場所変えるよ」

アメリカは一言告げるとイギリスの脇に手を入れたまま立ち上がった。
ずるりと地面を引き摺るように机の下から引っ張りだされ
イギリスの膝に絡まっていたスラックスが、身体を持ち上げられたせいでストンと落ちた。

「うわああ!」

影になった場所から表へ引っ張りだされ、下半身を覆うものを失い、
驚きと羞恥からイギリスが悲鳴を上げた。
外気に晒され、中途半端に煽られた身体が心許ないのか、
もぞりと膝を擦り合わせるように動かした。
日に焼けることの少ないイギリスの白い足は、妙に艶かしくアメリカの目に映った。
窓から差し込む夕陽の赤が、イギリスの白い肌を染め上げる。
それはひどく、アメリカを掻き立てる情景だった。

アメリカはイギリスを立たせ、その身体をくるりと反転させると
イギリスの腰を掴みぐっと抱き上げた。
「わっ」
宙に浮く感覚に慌てて手を伸ばし、イギリスがアメリカのジャケットを掴む。
その拍子に、握ったままになっていたペンが床に落ちた。

「あっ!!」

床に落ちて行くペンを追いかけるように、イギリスの視線とジャケットを掴んだ手が離れる。
まだそんなものを気にしていたなんて……

気に入らない、本当に気に入らない。

アメリカはイギリスをどさりと椅子へ下ろした。
座り心地重視のどっしりとした構えのハイバックチェアーは
少し乱暴に下ろされたイギリスの身体を難なく受け止めた。

「……ってぇ」

肘掛けに腕をぶつけたらしいイギリスが小さく呻いた。
だけど、イギリスが悪いのだから仕方がない。

アメリカは右手を背凭れに付き、片足を持ち上げ、イギリスの足の間にその膝を割りこませた。
上体を倒し、覆い被さるようにイギリスを囲い、至近距離で見つめあう。
近付いたその瞳には、いつも自分を映していなければ我慢が出来ない。
他のものが介在する余地なんて与えてやるつもりはない。

「君はもう、俺から逃げられないんだぞ」

唇が触れるほど近付いて低く囁く。
目を瞠り、息を呑んだイギリスが何事か言う前に唇を重ねる。
今度は奪うような激しさではなく、深く、奥まで食い尽くすように、
あるいは呑み込んでしまうように舌を絡め貪った。

「……っ……ふぁ…んっ……」

堪らず漏れるその息さえも自分のものにしたくて、
アメリカは自分のそのイギリスに対しての妄執とも言える想いに自嘲した。

口内をゆっくりと舐りながら、膝でイギリスの下肢を刺激する。
そして、空いた左手をシャツの下に滑り込ませた。
脇腹をすっと撫でると、ビクリとイギリスの身体が震えた。
中途半端に外したままになっていたシャツのボタンをひとつずつ外し、
ネクタイを緩め、ベストは胸までたくし上げた。

下半身を淫らに晒し、着崩れた姿で椅子に縫い止められている姿はひどくそそられた。

喉を鳴らし、動きを止めたアメリカに気付き、イギリスは伏せていた顔をあげた。
唾液で濡れた唇を輝かせながら、ひたと濡れた瞳で見上げられた。
主導権は握っているはずなのに負けたように感じるのはこんな時かもしれない。
アメリカは心の中で舌打ちをした。

そして、もどかしさのままにイギリスの膝を抱え、肘掛けに乗せた。

「……うわっ、やめっ……んあっ!」

大きく足を開かされ、奥まで見える格好にされたイギリスが慌てて身動ぐのを、
その中心を握り込むことで封じる。
ビクビクと震える先端からは先走りが溢れ、
よく見ればそれは茎を伝って秘所にまで達しようとしていた。
動きを止めたアメリカに恥ずかしい箇所を見つめられていることに気付いたのか、
羞恥に頬を染めたイギリスが慌てて手を伸ばし隠そうとした。
だが、それよりも早く、誘うように自らひくつく箇所がアメリカの目に映った。
『……まったく、どうしようもない人だ……』
しかし、それは自分自身にも言えることだった。

アメリカは中指と人差し指を口に含み、唾液で濡らした。
そして、その指でイギリスの先走りを絡め取り、蕾へと触れた。
「ひぁっ!」
反射的に閉じる入り口をあやすように撫で、ゆっくりと指を埋めて行く。
意識を散らすようにはだけた胸元に唇を寄せ、色づいた実を口に含む。
舌で転がし、甘噛みしながら抵抗の緩くなった秘所を開き、解きほぐす。

「……んっ……ぁ……」
中を弄られて、イギリスの唇から密やかな喘ぎが漏れる。
内から溢れ出る快感に堪えるように、アメリカの肩に回された手がぎゅっと握られる。
徐々に広げ、綻ばせた蕾は、もう3本目の指を呑み込んでいる。
熱く、柔らかい内壁が指を締め付ける……
胸に埋めていた顔を上げれば、熱に潤んだ瞳と目が合う。
森を思わせる緑色の瞳は、こちらを責めるように眇められた。
「はやく……」とイギリスの唇が声にならないくらいの微かな動きで告げる。
アメリカは肘掛けを掴んでいたもう一方のイギリスの手を持ち上げ、肩に回させた。
そして、前を寛げ、張りつめた自身を引き出した。
すでに臨戦体制のそれに手を添え、イギリスの蕾にあてがう。
待ち望んだようにひくと動いたそこに堪らなくなって身を進めた。

「……ひあっ…ぁあ!」

肩に回されたイギリスの腕がぎゅっと締まり、全身が戦慄いた。
ガクガクと震える身体を支え、宥めるように蟀谷にキスをする。
そして、イギリスの呼吸が整うのを待ってゆっくりと動き出した。

「…はあっ……ぁ、やっ……」

挿入の衝撃から脱したイギリスが徐々に甘い声を上げ始める。
奥を突かれて感じているイギリスが、アメリカをきゅうきゅうと締め付ける。
触れられない自身が苦しいのか、イギリスがアメリカの肩からするりと手を下ろし、
自分のそれを慰めようとするのを手首を掴んでやんわりと止めた。
射精を促すのではなく、塞き止めるのを目的で握り込むと、
イギリスから切ない悲鳴が上がった。

「……ぁあ!……やあ…っ…」

もう堪えられないと、いやいやと首を振るイギリスの髪を梳き、口づける。

「っ…ごめん……もう少しだけ」

キツく締め上げられてアメリカも息を詰まらせる。
ちらっと、背後に視線をずらせば、執務机には書きかけの書類。
そして、その横にはイギリスには不釣り合いの派手な包装のキャンディ。

……嗚呼、まったく俺達は何をやっているんだろうね……

アメリカは苦笑すると、最後の詰めにかかった。
激しく腰を動かし、限界を訴えて涙を零し震えるイギリスの陰茎を扱く。
やっと望む刺激を与えられて、イギリスがさらに息を乱す。
肘掛けに乗せられた足が、がくがくと動く。
爪先を丸めるようにして堪えるイギリスの足から、履いたままの靴がぽとりと落ちた。

「や…あ、アメっ……も、ぃく……!」
「…く……イギリスっ」

苦しいくらいに首を抱かれ、ぎゅうっと中を締め上げられ、アメリカは果てた。
内壁に叩き付けられる熱い迸りを受けながら、追うように、イギリスも甘い蜜を吐き出した。






日が沈んですっかり暗くなってしまった生徒会室を施錠し、並んで校舎を後にした。
アメリカはさり気なく辺りを見回して周囲に人がいないことを確認すると、
隣を歩く鬼の生徒会長様の腰に手を回し、抱き寄せた。

「何すんだ、やめろっ!」
「もう誰も見てないよ……」

だから、少しくらいいいだろ?
アメリカはイギリスの耳元で囁いて、頬と耳を真っ赤にさせたイギリスを抱いて
ゆっくりと歩き出した。

口の中ではイギリスの瞳の色みたいなメロン味のキャンディが
甘い匂いを放ち溶けていた。




 

挿入前に受をイかさなかったのは初めてな気がします。  
米英で書く初めてのエロだったので色々悩んでしまいました。  
皆様のイメージからかけ離れていないといいです。  
学園的要素があまり活かせなかったのが心残り(´А`)  

2009.11.05 千穂   

 

BACK