テキサスは今日も晴れ
「……イギリス」
欲を孕んだ掠れた声で囁くように耳に吹き込まれる。
呼ばれ慣れた自分の名前なのに、そうされるとまた違ったものに聞こえた。
そう、まるで特別な何かのように。
耳朶に口づけられ、そのまま擦り寄せるように頬を重ねられ、
アメリカのテキサスが頬を掠めた。
頬に当たるフレームの固くて冷たい感触にイギリスは眉を顰め、
両手を持ち上げそっとアメリカの頬を挟み込む。
テキサスを通し、正面から見つめるアメリカの青い空。
どこまでも広く澄み渡るようなその色に吸い込まれ、
あるいは引き込まれるように手を伸ばす。
そっと、蔓に手をかけテキサスを外す。
何も介さない、現れた自分だけの空に安堵する。
隔たりのない空は昔に戻ったような錯覚をもたらす。
自分だけを見上げていた空。
スカイブルー。
テキサスを外す瞬間がイギリスは好きだった。
アメリカに言えば機嫌を悪くすることは分かっているから
決して言わない、密かな楽しみ。
テキサスを指に絡めたまま、やわらかな笑みを零し、
イギリスは青い空を抱き締めるようにキスをした。
MEMOからひっぱってきた超短文。
イギリスは絶対テキサス外すの好きやと思うねん!
だって、昔の可愛いアメリカに近付くのだもの^^
アメリカも気付いてるけど、イギリスが幸せそうなので
仕方ないから黙ってるといいよ^^
2009.11.06 千穂